職場の「面倒くさい人」どう接したらいい?→人事のプロが教える解決策が参考になる!写真はイメージです Photo:PIXTA

なかなか部下がついてきてくれない……上司としてそんな悩みを持つビジネスマンも多いのではないだろうか。役職や年齢が上がるほど、部下に威圧感を与えてしまったり、話しかけにくい空気を醸し出してしまいがちだ。大企業を渡り歩き、4回の転職で年収を上げ続けた人事のプロが、信頼される上司になるための振る舞い方を解説する。※本稿は、安田雅彦『自分の価値のつくりかた』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。

自分から歩み寄らなければ
わかり合えることはない

 人は皆生まれ育った環境も、考え方も、モノの捉え方も違います。だから、自分の思い通りにならなくて当たり前だし、そもそもこちらに落ち度があったから思い通りにならなかったのかもしれません。

 それなのに、人間はつい自分目線で物事を考えてしまいます。だから思い通りにならなかった時、その現実を受け入れることができず、「たまたまその人とは相性が悪かった」という偶然性に逃げ込んでしまうのです。

 本来は、「他人は根本的に自分自身とは異なる」という前提に立ち、「自分から歩み寄らなければわかり合えることはない」と謙虚に考える必要があります。そのように、自分目線から相手目線に変える努力をしなければ、良好な人間関係を構築することはできません。一方的な考えを押しつけ合っていけば、お互いを理解し合うことなど到底できないからです。

 基本的に利己的な生き物である人間にとって、つねに相手目線で考えることは、並大抵のことではありません。うまくいかなくて自己嫌悪に陥るなど、精神的につらい局面も出てくるでしょう。ですが安心してください。その努力こそが、あなたのパーパス(編集部注:「社会にどのような良い影響を与えたいのか」「どんな社会をつくりたいのか」という企業や個人の中心にある理念・目標)とそのための目標達成の手伝いをしてくれます。

チャーミングでいることで
働く人の情報が入ってくる

 相手にポジティブに接する方法の1つに、「チャーミングでいる」という方法があります。

 チャーミングとは、人の心を惹きつける、魅惑的であることを言います。たんにかっこいい、美しいというよりも、虚勢を張らず、自然体で、いつもニコニコしており、ちょっとした失敗もつい笑って許してしまいたくなる――。そういう人に対しては、ついつい話しかけたくなりますよね。

 その逆で、チャーミングでない人、たとえば、いつも無愛想で愚痴や不満ばかり口にして威張り散らしている、怒りっぽいといった人には、誰も話しかけたくありません。その結果、自分のことを理解してもらえることはなく、当然相手のことも理解できません。ましてや、お互いに受け入れ合うなど不可能です。良好な人間関係を築くことなど、夢のまた夢です。

 つねにチャーミングでいて、「話しかけやすい人」「つい話しかけたくなる人」でいることは、とても重要です。

 たとえば、私は人事の仕事をずっとしてきたので、会社で働く人の情報を普段からたくさん集めることが、ある意味ミッションでした。だから、「ちょっといいですか」と、いつでも話しかけてもらえるオープンな状態であったほうが、向こうから情報が入ってくるのでメリットが大きいわけです。