なぜなら、その人との関係が障壁になってしまうと、仕事やほかの人との関係構築に支障をきたしてしまう可能性があるからです。そうした障壁はいち早く取り除く必要があります。

 それだけではありません。「めんどうくさい人」「厄介そうな人」とうまくやっている姿を見せることは、周囲からの信頼を早期に集めることに繋がります。「あのトラブルメーカーを手懐けた。すごい」といった具合です。

相手の好きなものを
見つける「パトロール」

 では、「めんどうくさい人」や「厄介そうな人」を早々に攻略するにはどうすれば良いのでしょうか?まずはありきたりですが、その人の好きな話題で話しかけましょう。事前にその人の趣味や褒められるとよろこぶことをリサーチしておきます。

 私は人事担当時代、「パトロール」と称してオフィスを歩き回っていました。そんな時、ある社員のデスクに猫の写真を発見しました。なるほど、猫が好きなんだとわかった私は、次にその社員にあった時に「猫ちゃんを飼っていらっしゃるんですね。猫ってほんとに可愛いですね」などと切り出します。そうすれば、相手は聞いてもいないのに愛する飼い猫の自慢話をし始めるはずです。

 あるいは、PCのデスクトップ画面がバイクであれば、とりあえず週末の過ごし方について聞いてみてはどうでしょうか?「バイクでツーリングをしています」とあればこちらのもの。「あぁ、あの写真ですよね!」とリアクションしたら、あとはうんうんと頷きながら、会話を続ければ良いのです。

 好きなことを話題に出されて嫌な顔をする人はいませんし、それについて熱心に聞いてくれる人(あなたのことです)には、好感を持ってくれるはずです。

職場の「面倒くさい人」どう接したらいい?→人事のプロが教える解決策が参考になる!『自分の価値のつくりかた』(安田雅彦、フォレスト出版)

「怖そうだな」「気軽に話しかけたら怒るんじゃないか」と不安に思うかもしれませんが心配ありません。雰囲気が怖い、不機嫌そう、コワモテだという人ほど、じつは内心自信がなくて、自分を大きく見せるためにそうした態度を取りがちです。コワモテで有名な私が言うのですから間違いありません。

 だから、そういう人にこそ、積極的に話しかけてみてください。怖い態度が原因であまり人が集まって来ないことを、本人自身が悩んでいるかもしれません。そんなところに親しげに話しかけてきたあなたは、大袈裟に言えば救世主です。

 一度打ち解ければ、今度は向こうから話しかけて来てくれるものです。「話せばわかる」、そんな気持ちで臆することなく、誰にでも分け隔てなく接していきましょう。