上司と折り合いが悪く仕事で思うように評価してもらえないと悩む人は多いのではないだろうか。しかし、上司を自分で選ぶことができない以上、異動や転職をしてもその悩みからは逃れられない。いっそのこと、自分から“上司をマネジメント”してみてはいかがだろうか。厄介な上司でも上手く操るコツを、人事のプロが解説する。※本稿は、安田雅彦『自分の価値のつくりかた』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。
上司をマネジメントして
職場環境を大改善する
あなたが会社に勤めていて、会長や社長でない限り必ず上司がいると思います。上司に課せられる仕事は基本的に部下をマネジメントすることです。一般論で言えば、マネジメントとは、「組織の成果向上のため、経営資源を効率的に活用し、リスク管理をして効果を最適化すること」です。
会社においては人も経営資源です。だから、上司は資源の1つである部下(あなた)に対して日々マネジメントを行なうわけですが、個人のエンゲージメントを高めようとする場合は、逆に部下(あなた)が上司をマネジメントすることも大切になります。
大前提として、会社という組織の中では上司を選ぶことはできないということを認識しておく必要があります。上司を選べないということは、上司の行なうマネジメントに逆らうことができないということです。
上司のマネジメントは会社における指揮命令系統の中に組み込まれており、基本的にその命令(与えられた仕事内容)は絶対です。
それが嫌なら、合理的な反対理由のもとに拒否するか(「なんとなく嫌」では断れない)、今の会社を辞めるか、自分が上司になる、つまり独立・起業して自分が社長になるという選択肢しか基本的にはありません。要するに、上司を選ぶ=仕事内容を選ぶ自由は基本的にはないということです。
今の仕事内容に少しでも不満があって、特に上司のやり方が気に入らないのであれば、早急に上司をマネジメントする必要があります。つまり、個人のエンゲージメント向上のため、経営資源を効率的に活用し、リスク管理をして効果を最適化するということを、部下の立場から挑戦してみるのです。
上司を思い通りにしたければ
まずは“絶対服従”すべし!?
かんたんに言えば、「上司とうまくやる」、ただそれだけのことです。
毎日かかわらなくてはいけない上司に対して、嫌いだとか、ついていけないだとか、ネガティブな感情を抱いた状態で接していては、仕事や上司、会社に対するエンゲーメントは高まるはずがありません。毎日会社に行くのが憂鬱になるなど、時間の無駄です。