威圧感のある上司や先輩には
誰もついてきてくれない

 そして話しかけられたら、私はどんなに忙しくても、機嫌が悪くても、できる限り笑顔で対応するようにしてきました。つねにチャーミングでいるためです(本当に忙しくて丁寧に対応している余裕がない時は「14時半までに資料を出さなくてはいけないので、15時頃にもう一度来てもらえますか」と説明するようにしていました)。

 今も、チャーミングでいるというポリシーは変わりません。むしろ、コンサルタントとして、時には厳しいことも言わなくてはいけないからこそ、普段はチャーミングでいることを強く意識しています。

 普段から気軽に自分から「最近調子はどうですか」と声をかけ、好意的に思っているようなアピールをしておけば、いざシビアな場面になっても、「本当は気さくな人だけど、今は会社や自分のことを思って厳しく接してくれているのだ」と、好意的に解釈してくれます。もし逆だったら……、説明するまでもありませんね。

 役職が上の人ほど、年齢が上の人ほど、威圧感や話しかけにくい空気を醸し出しがちです。むしろそうあるべきと思い込んでいる人もいますが、私は逆効果だと思います。

 気さくに話しかけやすい、なんでも相談に乗ってもらえる、そう思われる上司のほうが部下の信頼を得やすいですし、さまざまな情報が集まってきます。そして、それが正しい判断に繋がり、結果的にリーダーとしての成果を生みます。

 今は威圧的な態度で仕事をさせる時代ではありませんし、そういう上司には誰もついてきません。だからこそ、役職や年齢が上がれば上がるほど、チャーミングでいることはとても重要です。

言うことをコロコロ変えない
一貫性が周囲に安心感を与える

 チャーミングでいることと同じくらい、良好な人間関係を築くために重要なのが「わかりやすい人間になる」ということです。

 わかりやすい人間とは、考えや態度に一貫性がある人のことです。人と接するうえで、行動や判断基準がその時によってブレブレで一貫性がないというのは、相手を混乱させ不安に陥れます。

 たとえば、指示通りに動いたのに今日になってまったく違うことを言い始める、なんていう上司はいませんか?言うことがコロコロ変わると、何を信じて良いのかわからないですし、また違うことを言い出すのではないかと不信感を抱いてしまいますよね。