ビジネスパーソンなら誰でも「成長したい」と思うことだろう。しかし、闇雲に努力しても望む結果は得られるとは限らない。西友、グッチ、ラッシュなどの大企業を渡り歩き、4回の転職で年収を上げ続けた人事のプロが成長するための強みの見つけ方と目標設定の方法を解説する。※本稿は、安田雅彦『自分の価値のつくりかた』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。
どんなに些細なことでもOK
自分の強みの見つけ方とは
「強み」について考えていきます。強みの定義にもいろいろとあると思いますが、私は「無理なく自然にクオリティ高くできること」を強みだと考えています。どんな些細なことでもOKです。「腹が立っても悲しい時でもニコニコしていられる」とか「会議資料の作成が誰よりも早い」とか、そこまで頑張らずにできていることです。
「無理なく自然にクオリティ高くできること」の基準は、利き手で字を書くことを目安にしてもらえれば良いと思います。右利きの人は何の気なしに右手で自然と字を書けますよね。ところが、左利きの人からしてみると、右手で字を書くという行為はスピードが落ちて、丁寧に書こうと思ってもうまくコントロールできず、なかなか難しいものです。
ただ、右利きの人は字を書いている時に「自分が右利きだ」なんてことは意識しません。それほど無意識にできているわけです。このように、そうでない人が同じことをしようと思うと大変なのに、自分は「無理なく自然にクオリティ高くできること」が必ずあるはずで、じつはそれこそが強みです。
たとえば、意識していなかったけれど人から褒められた経験はありませんか?ほかの人がつらそうにやっていることなのに、あなたはまったくつらさを感じないと思ったことはありませんか?ほかの人よりも速いスピードで仕上げられることはありませんか?何でもかまいません。
フットワークが軽すぎて
上司に叱られたことも
私の場合、好奇心が旺盛で、ビジネスに対する理解を深めるためにどんなところにでも飛び込んでいけることが強みです。ジョンソン・エンド・ジョンソンに勤めていたころ、日本各地の営業マンに会いに行っていました。現場で働いている人のリアルな状況や話を聞くためです。