竹内元県議と同じようにデマに晒された兵庫県議の一人は、頼んでいない商品の送りつけや保険の申し込みなどをされたと証言している。こういった迷惑行為が捜査されれば警察の取り調べを受ける可能性があることは、立ち止まって考えればわかるはずである。

 それでも暴走してしまうのは、「自分は正義だから捕まらない」という強い自信があるか、「捕まってもいい」と振り切っているからではないか。

扇動する人がいて「犬笛」を吹く

 さて、自分がデマに惑わされないための絶対的な方法というものはなく、あえていうのなら「親しい人からであっても初めて聞く情報を鵜呑みにしない」とか「ネット上ではフィルターバブルやエコーチェンバーによって自分が信じたい情報が集まりやすい傾向があることに気をつける」といった基本的な一般論にしかならない。

 しかし、ここ最近のインターネットのデマに限れば、その特徴は明らかに扇動する者がいる点である。いわゆる「犬笛」を吹き、デマや不確かな情報を拡散し、信用した人たちにターゲットを攻撃させる。信じ込ませ、拡散するのが目的であり、その投稿にはいくつかの傾向がある。これからその傾向をまとめたい。

 この原稿は、すでに何らかのデマを信じ込んでいる人に目を覚ましてもらうために書いているのではない。すでに書いたように、人はいったん信じ込んだものを手放すのが難しい生き物だからである。そうではなく、最近の状況を見て問題を感じている人に「そういえばそういう傾向があるな」といくらかでも共感してもらえれば、それで本望である。