酒による失態は年々、許されない風潮が強くなっている。我を忘れるような飲み方は眉をひそめられ、自分の体質に合わせてほどほどに飲むのがスマートと言われるご時世である。とはいえ、酒には失敗がつきものでもあり、少なくない数の大人たちは、失敗を繰り返してちょうど良い酒との付き合い方にたどり着いたはずである。その教訓を生かし、令和の大人の酒との付き合い方を考えてみたい。(フリーライター 鎌田和歌)
「反省してるから…」「記憶をなくすまで飲むな」
賛否両論の世の反応
年始早々、人気男性俳優の吉沢亮さんが泥酔してマンションの隣室に侵入してしまった事件が報道された。所属事務所も謝罪コメントを発表し、書類送検という話も出ている。
インターネット上の反応では同情的な声が多い。同時期に報道された中居正広さんの「疑惑」の方がよっぽど重大なのに、こちらばかり大々的に取り上げられているという声もある。
不法侵入された隣人の方は大変怖い思いをしたであろうから気の毒だが、吉沢さんはすでに謝罪の上、このマンションから引っ越したと報じられている。同情的な声を寄せている人の多くは「故意ではないのだし、充分に反省しているのであろうから」「酒の失敗は誰しも多かれ少なかれあるから……」「正月だしちょっとぐらい羽目を外したくなる気持ちはわかる」といった理由なのではないかと推測する。
一方、一部では非難の声もあり、それらは要約するとおおむね「記憶を失うまで飲むのは良くない」「酒との付き合い方を考えるべきである」といったものである。
特に、吉沢さんはアサヒビールのCMに出演中であり、同社は早々に契約解除を発表した。アサヒビールといえば最近、アルコールとの適度な付き合い方を推奨する「スマートドリンキング(スマドリ)」を強く打ち出している最中であり、このコンセプトからしても目をつぶるわけにはいかなかっただろう。
クライアントの目指す方向性やCM出演の責任を理解していれば、プライベートであっても気をつけていたであろうから、この点への批判はまぬかれない。個人的に同情しつつも、とはいえクライアントの立場なら許せない失敗だと考えるビジネスパーソンが大半であろう。
今年もやはり、人を振り見て我が振り直せの精神で、このようなニュースを他山の石として、酒によるありがちな失態やその対策を考えてみたい。