株式投資をする人たちの間で大きな支持を集める話題の1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズを答えるだけで「投資のコツ」をつかめる手軽さが人気を博し、絶賛の声が尽きない。
本稿では、『株トレ』の著者であり、ファンドマネジャーとして2000億円超もの資金を運用してきた経歴を持つ楽天証券・窪田真之氏に、「チャート分析の基本」について教えてもらった。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
「買いシグナルで買ったけれど下落した」時の対処法
――前回は売買高について話していただきました。売買高と株価がともに急上昇している時に、「買いシグナル」だと判断できるのですね。
窪田真之(以下、窪田):その通りです。ただし、気をつけなければいけないのは、買いシグナルだからといって、100%当たるわけではないということです。
私が『株トレ』で紹介しているのは、7割の確率で当たるシグナルです。3割の確率で外れてしまいます。
外れた時にどのように行動するかが重要です。
前回のチャートの続きをご覧ください。
売買高の上昇とともに株価が上昇したところで買いました。しかし、そこから急落しています。
ここでは、売り、買い、様子見、どのような投資判断をしますか?
トレードで稼げる人の共通点
――損を出すのは嫌ですが、売った方がいいのでしょうか?
窪田:ここは迷わず売りです。ためらってはいけません。
買いシグナルの直後に大きな下落があれば、買いシグナルは売りシグナルに変わります。
「損切りするのか。チャートのシグナルなんて当てにならないじゃないか」と思った人もいるでしょう。
チャートのシグナルというのは、そういうものです。常に当たるシグナルはありません。7割の確率で当たれば、かなり強いシグナルです。
たとえば70%当たるシグナルに従って2度売買するケースで、2回とも外れる可能性は9%です。
長期的に考えれば、1回のトレードに一喜一憂せず、淡々と7割当たる強いシグナルで売買を続ければ、利益を出していけます。
このトレードを実行するうえで重要なのは、失敗した時にすぐに損切りをすることです。
チャート分析の関する本の大半は、「ここで買い」ということを教えてくれても、外れた時の対処法を教えてくれません。
トレードが上手い人ほど、買うタイミング以上に損切りを徹底しています。