「絵がとっても上手だね!」
「絵がとっても上手だね。馬が本当に走っているみたい。どうやって描いたの?」
そう、ほめるときはできるかぎり具体的にほめ、さらに質問もしたほうがいい。これが、子供を輝かせるほめ方だ。
親にできることは限られている
まずはその事実を受け入れよう
<幸せな人の子育てのルール>
親がすべてを解決できるわけではない
このルールはかなり厳しい。私たち親がもっとも望んでいるのは、わが子のためにすべてが完璧な環境を整えることだ。もし子供が転んで怪我をしたら、優しく慰める。何か問題を抱えていたら、一緒になって解決する。悲しんでいたら、ハグをする。誰かに意地悪されたら、間に入って子供を守る。
だが子供も、ときには自分だけの力で本当に大きな問題に立ち向かわなければならないこともある。私たち親にできることは何もない。そのとき親は、計り知れないほど大きな無力感にさいなまれる。子供が苦しむ姿を見ながら、その苦しみを取り除いてあげることができない――親にとってはまさに最悪の状況だ。
しかし、そういった状況は起こりうる。誰かが亡くなれば、子供がどんなにその人のことが大好きで、悲しんでいても、その人を生き返らせることはできない。子供が親には治せない病気にかかることもあるだろう。あるいは、子供の親のどちらかが去り、子供がその親を必要としているときにそばにいられないこともある。

リチャード・テンプラー著、桜田直美訳
これらの状況は、子供にとって大切な人生経験だ。生きていれば、思い通りにならないこともある。幼いうちにこのような経験をしなければならないのは、たしかにかわいそうだ。それを見ている親も心が痛む。しかし、遅かれ早かれいつかは学ばなければならない。そしてその時期がいつになるのか、親は決めることはできない。親であるあなたにできるのは、子供に寄り添うことだけだ。わが子が傷つくのを未然に防ぐことはできない。
つまりこのルールは、親にできることは何もないという事実を受け入れるということだ。
あなただけでなく、どんな親でもそれは同じだ。人生にはそういうこともある――ただそれだけのことだ。だから自分を責めてはいけない。わが子が苦しむのを見て、あなたはすでに十分につらい思いをしているのだから。それ以上、自分に負荷をかける必要などないではないか。ただ自分を抱きしめ、少しだけ自分に優しくなろう。
覚えておいてほしいのは、子供も親が奇跡を起こすことを期待しているわけではないということだ。子供だって、親が何もできないときがあることはわかっている。親にできるのは、わが子にたくさんの愛とハグを与えることだけだ。そうするだけで、あなたも子供も、今より少しは気分がよくなるだろう。