仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつマネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

働く時間は減らしても、スピードは落とさない!「最短で成功する仕事の流儀」Photo: Adobe Stock

昔は長時間労働でスピードを確保していた

私が社会人になった25年ほど前は、スピード感が求められる仕事については、残業しながら長時間働くことで、なんとかやり遂げていました。

過労死問題がとり沙汰され「働き方改革」が進んだいまとなっては、けっして褒められることではありませんが、終電を逃して何度も徹夜したことがあります。

それが特段おかしなことでもない空気もあり、むしろ勤勉さを示す武勇伝的な側面さえあったかもしれません。

「働き方改革」による労働時間の短縮

しかし、もはや法律に背くような長時間労働は、厳しく制限されるのが常識になっています。

2018年に公布された「働き方改革関連法」では、残業時間の上限は原則として月45時間(年360時間)と定められています。

こうした残業規制が功を奏してか、生産性が上昇した面もあり、平成の初めごろには1人あたり総実労働時間は年2000時間を超えていましたが、2021年度には1777時間まで短縮しています。

2023年の労働時間データ

厚生労働省が2024年2月6日に発表した2023年の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、

総実労働時間は0.1%増月136.3時間
残業時間など所定外労働時間は0.9%減3年ぶりに減少

月ごとに見ると、2023年7月以降は、すべての月で所定外労働時間が減少し、総実労働時間も減少した月が目立っています。

長時間労働からの脱却とワーク・ライフ・バランス

長時間労働からの脱却は、

心身の健康を保つため
家族との時間を確保する健全なワーク・ライフ・バランスのため

必須の条件です。この流れ自体は、とてもよいことだと思います。

現代に活かすべき「情報収集力」と「段取り力」

一方で、スピード感が求められる仕事を、長時間働くことでカバーすることが難しくなっている面もあります。

そこで、スピード感をもって仕事を進めていくためには、現代のリーダーこそ豊臣秀吉のような「情報収集力」と「段取り力」が必要になります。

※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。