多人数で画一的な教育を施す公立小学校とは対照的な、少人数で個性尊重タイプの私立小学校は、多くの人気を集めました。1900年代初頭には、現代のような厳しい選抜がすでに行われており、家柄を問われ、あらゆるツテを探す、今の「お受験」の原形はほぼ出来上がっていたと言われています。
小学校受験が「親子の受験」「一族の受験」と言われるのにはそういった歴史があり、親が子どものサポートをするという意味だけではなく、親自身、場合によっては一族の経歴までも見られる受験であることを意味します。
その後、戦時中も含めて100年以上選抜が繰り返される中で、家柄や経済力が必要な「閉ざされた世界」となっていったことは想像に難くありません。こうして私立小学校は、社会的立場のあるご家庭のお子様の人格形成の場となってきたのです。
加えて、伝統のある学校は、その環境や品格(ブランド)を保つ必要もあります。
そのため、素性の分からないご家庭の子どもを安易に入学させない使命を持つことになりました。どれだけお金待ちだったり、子どもが優秀だったりしてもです。
想像してみてください。愛子様が入学される学習院に、反社会的な職業の家庭が紛れ込むことは絶対に避けなければなりません。同級生はもとより、初等科を共に過ごす前後の学年は、厳格な身元確認があったことは間違いないでしょう。
このように小学校受験の歴史をひもとくと、「縁故」の姿が見えてきます。
合否判定で大切なのは
子の成績より「親の資質」
次に「親の資質」のステップです。
子どもの仕上がりばかりに目が行きがちな昨今の小学校受験ですが、実際は合否判定の半分以上がこのステップに掛かっています。相性選考の本丸と言えるでしょう。
「子どもにどんな人間になってほしいか(教育理念)」「そのためにどんなことをしてきたか(教育方針)」「これからどんな教育を受けさせたいか(志望動機)」、学校が知りたいのはこの3点です。