米アップルほどの規模を持つ企業であることの大きな利点は、それが通常業務の範囲であっても巨額の資金をばらまけることだ。アップルは24日、今後4年間で米国に5000億ドル(約75兆円)余りを投じる計画を発表した。これには国内サプライヤーに対する支出や、同社の人工知能(AI)サービス「アップルインテリジェンス」向けのサーバーを生産する製造工場の開設が含まれる。同社はさらにミシガン州デトロイトに「次世代の米製造技術者」を育成する施設を設立する予定だとも述べた。だが計画されている支出のうち、実際どれくらいが新規なのかは不明だ。アップルは過去4年間(9月で終了する会計年度)に営業費用と設備投資で合計約1兆1000億ドルを支出している。ビジブル・アルファのコンセンサス予想によると、ウォール街は今後4年間でこれが合計約1兆3000億ドルに達すると見込んでいる。アップルは地域別の内訳を公表していないが、売上高の約43%は米州(同社の定義では北米と南米)が占めている。米国がこの数字の大部分を構成すると仮定し、支出の割合が売上高と同程度とするならば、2028年度までに予想される世界全体の支出のおおまかに4割が約5050億ドルとなる。
アップルの米国投資75兆円、大半は既定路線の範囲か
米国で投資拡大を打ち出すも、従来の支出パターンと中国からの生産移転の流れに沿っている
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