「年齢」から自由になりませんか。私はこう提案したいです。いったん、年齢について心配する、年齢を言い訳にするのをやめてみることを提案します。公表することも、です。

会社で長く勤めた50代が
年齢を過度に意識する理由

 しかし、人はなぜ年齢を気にしてしまうのでしょうか?

 私が思うに、それは会社に勤めているということが大きく絡んでいるのではないでしょうか。

 日本の会社はこれまで、年齢を過度に意識してきました。年功序列からの脱却は平成の約30年において、何度も課題として取り上げられました。実際、年齢にとらわれず管理職に抜擢する企業も現れました。年下の上司、30代の部長、40代の経営陣は日本の伝統的大手企業でも誕生しました。

 しかし、いくら人事制度が変わり、若手が抜擢されるようになったとしても、会社員時代は上司や同僚の年齢を気にしていたのではないでしょうか。50代の私たちは新卒一括採用で会社に入り、中にはずっと同じ会社にいて、一度も辞めたことがない人もいるわけです。

 中途入社を経験した人であっても、現在、50代で日本の会社で長く勤めた人は、年齢や年次を気にし、いつの間にか上下関係の中に身をおいてしまいます。そこで何かと先輩風を吹かせてしまったり、後輩プレイを演じてしまったりしています。これが染み付いていると、人生においても、年齢というものを過度に意識してしまいます。

 会社から離れた場でも、思わず相手の年齢を聞いてしまったり、想像してしまったりしていませんか?年長者への配慮、リスペクトという意味もあるでしょう。ただ、年齢という枠にいつの間にか囚われてしまっているのではないでしょうか。過度に気にしたり、逆にあぐらをかいてしまったりしてませんか。

 年齢を明かさず、気にせず生活してみませんか。いや、隠そうとしても、バレてしまいます。ただ、いちいち言う必要もないのです。自分自身も、何歳であることを一度忘れてみませんか。さらには、年齢にものを言わせたような態度をやめてみませんか。