一方、年長者を悪者扱いすることが「老害」なのではという疑問もわきます。要するに、マウンティング、ハラスメントの一種ではないですか。さらには、年齢によってもとはよかった人が悪い人になるかというと、必ずしもそうではないです。
最近では、若者が年上の人に権利を主張して痛めつける「若害」という言葉も流行り始めました。もうよくわかりません。「老害」にしろ「若害」にしろ、年齢を根拠に人を痛めつけるのは、ハラスメント以外の何ものでもありません。
バブル、就職氷河期、ゆとり…
いい加減な世代のくくり方
「老害」「若害」という言葉に限らず、日本では世代間闘争、世代間ギャップがよく語られます。「就職氷河期とバブル世代の対立」のような話がよく語られますが、そもそも日本の世代のくくり方、語り方はいい加減であることを確認しておきたいところです。
海外の世代は、10~15年刻みでくくられますが、日本は「バブル」「就職氷河期」「ゆとり教育」など社会的な出来事でくくられます。そもそも世代のくくり方がいい加減なのです。
そして、まるでプロレスの軍団抗争のように、実際はリスペクトしあっていて、手の内もわかっているのに、世代間で激しく抗争しているかのように煽り立てられるのです。
でも、世代により享受したことや価値観の違いを糾弾するアメリカに比べるとだいぶマイルドです。
いまや「消齢化社会」です。年齢や世代による差がなくなる社会です。そもそも、年齢を表記することや、年齢で何かを語ることを控えませんか。若害という言葉がある時点で、攻撃的な言動をとりがちな人は、物事を考えたり、発言をしたりするときには、年齢は関係ないということが可視化されています。年齢を盾に何かを語ることも不適切です。