そもそもrabbit r1とは?
まずrabbit r1について簡単におさらいしておこう。rabbit r1は、大型のスマートフォンの半分ほどのサイズ(ただし、厚みは倍程度ある)の正方形の筐体を持ち、側面のボタンを押しながら、トランシーバーのように画面上のウサギのマスコットに質問ややりたいことを話しかけるだけで、様々な処理が行えるモバイルデバイスである。ボタンを2度押しすると回転してレンズが現れるカメラ機能も搭載されており、目の前のものを撮影して、それが何かをAIに問うこともできる。
ハードウェアとOSの基本はオープンソース化されたAndroidと共通項が多いながらも、独自の拡張やUIを備え、シンプルで機能的なデザインで定評のあるTeenage Engineeringによる筐体を持つことで、価格を抑えつつも(200ドル。日本では3万5000円)魅力的な製品に仕上がっている。
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詳しくは以前の記事をご参照いただきたいが、rabbit r1はスマートフォンのように用途別にアプリを起動して作業する代わりに、ユーザーの要求をAIが解釈して必要な処理を行う、AIネイティブの製品となっている。その分、現状では何でもできるというわけではなく、通話機能などもないが、専門的な業務は無理でも日常的な調べ物や会話の翻訳などは、これで十分ではないか?という割り切りのあるデバイスだ。通信は、Wi-Fi接続か4GのSIMカードで行われるが、筆者は自宅のWi-FiかiPhoneのテザリングで利用している。
ユーザーグループ内では、コンピュータを使っているときもrabbit r1で調べ物をする(=そのほうが楽)という人もおり、アプリを探さずにボタンを押して話すだけなので、ITリテラシーのない人でも使いやすいという評価がされている。また、本体購入後に追加のサブスクリプションなどはなく、サービスが停止しない限りAI機能を利用できる点も魅力だ。
AppleやGoogleを含む既存のIT企業は、自社のエコシステムを守る必要から、スマートフォンにAI機能を組み込む戦略をとっているが、そういったしがらみのない企業だからこそ、Rabbit Inc.は思い切った製品開発ができたといえるだろう。MacのワンボタンマウスやiPodのスクロールホイールを好んだ故スティーブ・ジョブズが生きていたら、かなり悔しがったのではないかとも思う。
ちなみに、この記事の図版のほとんどは、3Dプリンタで作った撮影台を使ってrabbit r1の画面を撮影し、はめ込み合成で作成した。
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