ユニークなカスタマイズ機能

 今年1月のRabbit OSのメジャーアップデートにより、英語圏以外のユーザーが最も待ち望んでいた多言語対応が実現した。現在、アメリカ、イギリス、オーストラリアの3種の英語を含めて、日本語や中国語、韓国語など合計27種の言語がサポートされている。

言語設定1月のアップデートで、27種の多言語対応が実現した。言語はメニューから選択すると一瞬で切り替わる 拡大画像表示

 また、初期画面のウサギは、ガチャガチャ風のゲーム画面でプレイすると得られるアクセサリを装着してカスタマイズでき、他のユーザーとの差別化がしやすくなっている。ガチャをプレイするためのキャロットポイントは、rabbit r1を利用することで貯まるという簡単な仕組みで、今後はポイントで利用できる機能が増える可能性がある。

コスチュームガチャガチャガチャ風のゲームによって、初期画面のウサギのアニメーションをカスタマイズすることができる 拡大画像表示

 さらに、最近までは特に指定しない限り温度表示の単位が華氏になっていたが、言語設定が日本語であれば、自動で摂氏表示されるように改善された。これは天気予報などを確認したときに適用される。ただし、漢字熟語の読みに関してはまだ不自然なところがあり、仮名交じりの文章内でも中国語読みされるケースが多い。回答は文章でも表示されるため困ることはないが、耳で聞いているだけだと理解しづらい場合があるので、近い将来のRabbit OSのアップデートで改善されることを期待している。

「天気予報を川端康成風で」「簡単なゲームを作って」

 一方、AIデバイスならではの特徴として、たとえば同じ天気予報でも、川端康成風やヘミングウェー風にと指定すると、それらの文体にアレンジして回答してくれる。これは「生成AIならできるのでは?」と思って試したところできたというだけで、一般のアプリのような設定やオプション機能があるわけではない。“ネイティブAIデバイスでは、このようなことが可能になる”という1つの例と思ってほしい。

天気予報地名表示がアルファベットになっているが、標準的な天気予報の表示(左)と、「新潟の天気を川端康成風で」と質問した場合の表示(右)。これはネイティブAIデバイスならではのアレンジといえるだろう 拡大画像表示

 たとえば、rabbit r1にはアドベンチャーゲームなどのアプリもないのだが、「簡単なテキストアドベンチャーゲームを作って遊べるようにして」と指示することで、実際に声で分岐を選んでストーリーを進められるテキストアドベンチャーが作られた。同じように依頼しても「テキストアドベンチャーの作り方を解説したサイト」の情報を表示するだけのこともあるので、そこも生成AI的だが、rabbit r1のようなデバイスが進化すれば、将来的に遊びたいゲームをその場で作ってもらうようなことも実現していきそうだ。