ボタンを押しながら話すだけ!便利なAI翻訳機能

 そして、ユーザーによっては最も便利と感じるであろう機能が、AI翻訳である。これは「日本語と韓国語の翻訳モードにして」のような指示で呼び出される機能だが、使い勝手が優れている。一般的な機械翻訳機では、2つの言語を別々のボタンに割り当てて、話者が母語側のボタンを押しながら話す必要がある。

 これに対し、rabbit r1の翻訳モード(「翻訳者」と表示される点には違和感があるが)では、話者の言語をRabbit OSが自動判別してくれるため、ただボタンを押しながら話すだけで良いのだ。この使いやすさは、実際の会話の自然な流れを妨げないという点で大きなメリットといえるだろう。

翻訳機能設定した2つの言語を自動判別して翻訳し、読み上げてくれる翻訳機能。シンプルな操作性が魅力だ 拡大画像表示

すべてのやり取りを記録する「ジャーナル」、使い方を拡張する「ティーチモード」

 rabbit r1は4GBのメモリを内蔵しているが、ユーザーとやり取りした記録や撮影した写真は、すべてクラウド上のコンパニオンツールであるRabbitHoleにジャーナルとして記録されている。rabbit r1への指示の与え方次第で、たとえば日記や買い物メモとしても利用でき、逆にrabbit r1に必要な情報を質問して取り出すこともできる。

 ジャーナルは、公式にはWebサービスとして提供されているが、サードパーティ製のBunny Burrowというモバイルアプリを利用すれば、iPhoneからも確認することが可能だ。

ジャーナルジャーナル記録の例。2024年7月にプラハを訪れた際に、目にとまったレリーフを撮影して情報を訊ねた際のものである。このときは日本語未対応だったため、英語でのやり取りだったが、「これはヤン・パラチという人物のブロンズ製の記念碑か彫刻で、日付は16.1.1969。ヤン・パラチはチェコの学生で、ワルシャワ条約機構のチェコスロバキア侵攻に対する政治的抗議として1969年に焼身自殺した。この記念プレートまたは彫刻は、彼の人生と犠牲を記念するものである」と詳細に回答している 拡大画像表示

 また、RabbitHoleには「ティーチモード」という機能がある。依然としてベータ版での提供だが、rabbit r1で直接はサポートされていないWebサービス機能の使い方を「教える」ことで、実行できるアクションをユーザーが拡張していけるというものだ。

 たとえば、RabbitHole上でGoogleマップの使い方を教えれば、rabbit r1から出発点と目的地、移動手段を指定して所要時間を調べるようなことが可能になる。実際には、今では2地点間の所要時間を調べる機能は標準で対応しているが、ティーチモードはまだ不完全ながらも、rabbit r1の最大の特徴の一つとされている。

TeachModeサポートされていないWebサービスの機能を、rabbit r1から利用できるようにするためのティーチモード。まだ不完全でエラーを起こすこともあるが、ユーザー自身がネイティブAIデバイスの機能を拡張できる手段として期待されている 拡大画像表示