相手の“意識レベル”に合った褒め言葉が大切
(3)相手に気付きを与える言葉を与える
つい、相手にフィードバックをした上でアドバイスをする際に、「こうした方がいい」という言葉を使いがちですが、相手にとってはその言葉が強引で、価値観を押し付けられているように捉えられてしまう傾向があります。「~するべき」「~した方がいい」という表現ではなく、適した言葉としては「私だったらこうするだろう」という表現です。自分の経験談を交えながら伝えることで、相手はそのアドバイスをヒントに自分自身で考えて行動するようになります。アドバイスは押し付けるものではなく、自分の経験を交えて気づきを与えることに留めるのが大切です。
(4)モチベーションを高める褒め言葉を添える
フィードバックで大切なのは褒め言葉を入れることです。どんな内容であっても、相手の良い点を見つけて、自信を持たせることがモチベーションアップにも繋がります。しかし、褒め言葉だからといって、どんな言葉でも相手が喜ぶとは限らないものです。それは、相手が褒めてほしいポイントがあるからです。
相手にとっては「できて当たり前」だと思っていることを褒められても、満足には至りません。例えば、「その取り組みは素晴らしいね」と伝えたとします。素晴らしいだけでは漠然としていて、一体どこが素晴らしいのかという点が分からないため、相手はどこか納得できないものです。この場合には、「その取り組みによって、○○という影響をもたらすことは素晴らしいと思う」など、具体的に「素晴らしい」中身をしっかりと評価することです。人は意識レベルがそれぞれ異なり、そのレベルに合った伝え方が大切です。意識レベルは、主に、「環境レベル」「行動レベル」「能力レベル」「信念・価値観レベル」の4つの要素があります。
この要素はピラミッド型に形成され、底辺が「環境レベル」、その上に「行動レベル」「能力レベル」「信念・価値観レベル」と続きます。
「あなたの成績が素晴らしい」(結果・環境)、「あなたの実行力が素晴らしい」(行動)、「あなたの技術が素晴らしい」(能力)、「あなたのポリシーが素晴らしい」(信念・価値観)というように、同じ「素晴らしい」と伝えた場合でも、相手の意識レベルによって、どのレベルを褒めてほしいのかが異なります。相手の意識レベルに合わせた褒め言葉を伝えることが大切です。