元NHKキャスターとして「おはよう日本」「首都圏ネットワーク」などに出演し、現在はフリーアナウンサーとして多方面で活躍する牛窪万里子さん(株式会社メリディアンプロモーション代表取締役)。牛窪さんは、『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』など、多くのビジネス書も執筆するなど、言葉と表現によるコミュニケーションのプロフェッショナルだ。そんな牛窪さん執筆の連載「報道現場から学び取る“組織を活性化する”コミュニケーション」をお届けする。(ダイヤモンド社 人材開発編集部)
円滑なコミュニケーションが組織の活性化に不可欠
私は一般企業から放送業界に飛び込み、これまで約30年間、現在に至るまで放送に携わってきました。スタートはNHKでした。放送業界に転身してからは「スピーディーさ」「決断力」「客観性」などあらゆる対応力が求められました。現場では、瞬時に情報を集め、分析し、組織で共有、意思決定までをスピーディーに行うことが求められます。毎日、生放送という目まぐるしい時間との闘いでもありました。瞬発力をいかに身につけるかが問われる業界です。その慌ただしさは、一般企業とは少し異なるかも知れませんが、意思決定までのプロセスにおいては、一般企業でも生かせる面があり、組織を活性化させるための重要な要素も含まれていると感じています。
組織の活性化には、円滑なコミュニケーションが不可欠です。私が経験した報道の現場では、先にお伝えした情報の正確さやスピードが求められるだけでなく、チーム間の密な連携も重要視されます。チーム内の信頼関係を構築することが、効果的な情報共有の鍵となります。
ここでは、報道現場で培われるコミュニケーションスキルが、どのように組織を活性化させるかを考察します。