自分の足元や携帯にも注意
気を付けても入り込む雑音
風のほかにも、雑音というものは数多く存在している。自動車が通り過ぎる音や、カラスが鳴く声、犬の吠える声など、防ぎようのないものもある。車内音についても同様で、無人状態以外は何かしらの音が入ってくると覚悟しよう。駅の放送を録音していても、ちょうどメロディの真ん中あたりで居合わせた人が咳をしたりする。どんなにいい環境で録音を楽しもうとしても、突発的に起こる雑音によって、結果は無惨なものとなる。現状、こういったものは防ぎようがないので、悔し涙を呑むしかない。
・風 たとえ微風であっても機材は必ずその音を拾ってしまう。
・携帯電話 話し声はもちろん、呼び出し音も。自身の携帯電話にも要注意。
・鼻水と咳 冬場によくある難敵。花粉症の時期にも激増する。くしゃみも。
・衣服 擦れる音に注意。ウインドブレーカーは特に要注意。
・話し声 録音がプライバシー侵害にも繋がることも。盗聴を疑われることもある。
・カラス 鳴き声は意外なほどの大音量。しかも、なかなか動かない。
・犬 時折、なぜか延々と吠え続ける犬がいる。
・足音 発信源が自分の足元にあったりする。革靴やハイヒールはよく響く。
・自動販売機 静かな環境を破りがちなジュースの販売機。
・緊急車両 消防車や救急車など、こればかりはどうしようもない。
・選挙演説 大音量で悩ましい存在。録音中に手を振られることも。
・スーツケース 点字ブロックの上を通る際に、特に音が大きくなる。
・ビニール袋 ガサガサ音はしっかりと拾ってしまうことが多い。
雑音が現す「リアル」が
いいと思える時もある
音源を編集する際にある程度は処理が可能だが、できるなら、雑音が入ること自体を避けたいところである。上に、周囲にどんな雑音が存在しているのか、ランダムに挙げてみた。いずれも手ごわいノイズたちである。事前に知っておくといいかもしれない。
ただ、考え方を変えてみると、こういった雑音もまた、その場所、その瞬間の「リアル」であり、臨場感ともいえる。“日常の音”が録れたのだと、割り切るのが賢明だろう。時間が過ぎると、当時を思い出すきっかけになったりもする。あとは雑音のない最良の録音スポットを探すべく、動き回るしかない。自分だけの録音場所を探せたときの喜びは大きい。