氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」#10Photo:PIXTA

武田薬品工業のトップは、2代続けて外国人になることが決まった。今回はそんな武田のほか、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、エーザイを取り上げる。5社の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#10では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。武田はOBが優勢だったが、アステラス製薬は若手が勝ち組になった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

武田のトップは2代続けて外国人
存在感が弱まるばかりの本国、日本

 国内製薬最大手の武田薬品工業が、1月30日に次の社長CEO(最高経営責任者)を発表した。2026年6月にクリストフ・ウェバー氏の後を継ぐのは、ジュリー・キム氏。武田でU.S.ビジネスユニットのプレジデントおよびU.S.カントリーヘッドを務める人物である。

 次期社長レースで最有力と目されていたのは日本人だったが、2代続けて外国人がトップを担うことになった。同社において、本国、日本の位置付けが低くなっていることが今回の人事の背景にある。約10年前まで売上高の40%前後を国内が占めていたが、近年は10%前後まで下がっている。

 経営の中枢は、ウェバー氏ら社外から招かれた外国人が占めるようになっている。武田はますます外資系企業に近くなる――。こういった見方は今後一層強まりそうだ。

 さて、今回は武田、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、エーザイを取り上げる。5社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、武田はOBが優勢だったが、アステラス製薬は若手が勝ち組になった。また、専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。第一三共や中外製薬、エーザイも含め、次ページで確認しよう。