
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3935社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名!上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#6では、医薬品業界のランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
医薬品業界は年収1億円以上が43人!
リストラ吹き荒れるも幹部は超高給
給料が超高額でありつつも、リストラの嵐が吹き荒れる医薬品業界。稼ぎ頭の薬の特許が切れれば収益の柱が瞬時になくなる一方で、投資が莫大な新薬の開発が成功するとは限らない……。それがリストラが続発する大きな理由の一つだ。
詳細は『【25年の製薬業界】武田薬品に続きリストラに踏み切る可能性が高い製薬会社の「特徴」とは?』や『【製薬大手4社“稼ぐ力”徹底比較】武田とアステラスで「大規模リストラ」が必須になる理由』を参照してほしい。
ただし、リストラの憂き目に遭わず幹部にまで上り詰めてしまえば、膨大な額の年収を手にすることができる。
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、1億円以上の高額な年収を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
集計の結果、医薬品業界で「年収1億円以上」の幹部は43人いることが判明した。全業界の平均が33.6人だから、やや多い。トップは、なんと20.82億円ももらっていた。ちなみに、上位3位までは、全て武田薬品工業の外国人取締役で合計は40億円を超えている。
武田薬品、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、ジーエヌアイグループ、ネクセラファーマ、エーザイ、塩野義製薬、大塚ホールディングス、ロート製薬、参天製薬、小野薬品工業、ぺプチドリーム、協和キリンといった企業の幹部たちは、いくらもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。