“山笑う”春の嵐山を満喫できる場所

前回、大覚寺や一年を通して味わえる名物の桜餅をご紹介した嵐山について、今回ももう少しお話させていただきましょう。嵐山の代名詞ともいえる渡月橋は、第90代亀山天皇が退位されて上皇となられたあるとき、「くまなき月の渡るに似る」と称えたことが名の由来です。
大堰(おおい)川の下流側から眺める渡月橋と嵐山は、特に春霞が立ち込める日には日本画のような美しさ。橋のたもとにある、2010年にイタリア国際ジェラート大会で3位に入賞して以来人気上昇中の「新八茶屋」で、桜餅や抹茶フレーバーのジェラートをテイクアウトし、川の畔でのんびりお花見するのもいいでしょう。
渡月橋の北のたもとから上流へと歩くと、先述の亀山天皇、第88代後嵯峨天皇、第93代後伏見天皇のお三方の火葬塚のある丘陵地を整備した嵐山公園亀山地区に。ここは、知る人ぞ知る“山笑う”春の嵐山を満喫できる魅力的なスポットです。
豊かな自然に包まれながら苑路を上がったその先の展望台では、桜色が差す山肌と、滔々(とうとう)と流れる翡翠(ひすい)色の保津川が織りなす保津峡の渓谷美が待ち受けています。時折、渓谷を行く保津川下りの船やトロッコ列車も見られますよ。