この「安全・安心」が『肯定的意図』です。子どもは無意識に、「安全・安心」を手に入れるために、「登校前にお腹が痛くなる」という行動を取っているのです。
目の前の子どものネガティブな言動にばかりに気を取られてしまって表面的な対処をいくらしても、根っこの部分は何も変わりません。表面的な対処しかできていないから、せっかく不登校から再登校ができたとしても、不登校の再発率が70~80%と高いのだと考えられます。
不登校や行きしぶりになってしまう悪循環やネガティブな行動の心の根っこが『肯定的意図』になります。『肯定的意図』で、子どもの心の根っこの部分に気づき、子どもの心の深い深い根っこの部分に寄り添いケアしてあげることで、不登校や行きしぶりなどの悪循環やネガティブな行動は改善していくでしょう。
子どもの困った言動にイライラしたり、心配したり、不安になったり。「もっと頑張れるでしょ!」と子どもに対して過剰な期待をしてしまい、ネガティブな感情をダイレクトに伝えてしまうことがあります。それが子どもには毒になる言葉となり、より子どもを傷つける原因になってしまいます。
しかし、子どもの『肯定的意図』に寄り添い言葉がけを変えていくことで、その毒になる言葉を、薬になる言葉に変えることができます。
「朝、起きない子どもにイライラしてしまう」肯定的意図
『肯定的意図』とはどのようなものなのかを知るために、まずは親自身の言動(イライラや不安)の『肯定的意図』を探ってみましょう。
あなた(親)の改善したい行動の『肯定的意図』を探るために、
「それをすることで何が得られるかな?」
「それをすることで何が手に入るかな?」
「それをすることでどんな気持ちになるのかな?」
これらの質問を何度か繰り返し自分自身にしていきます。
たとえば、「朝、なかなか起きない子どもにイライラしてしまう」。この状況の肯定的意図を探ってみましょう。