ミクシィが見つけた「人を動かす“隠れたホンネ”」とは

 「みてね」がとらえたような、人を動かす“隠れたホンネ”、つまり、インサイトを見つける作業を飛躍的に効率化できる方法があります。それは、以下の「逆説モデル」という思考の型に当てはめるだけです。

【逆説モデル】
・ みんな/世の中は、○○だと思っているかもしれないけれど、
・ 実は/本当は、■■ではないか?(←ここがインサイト)と自分は思う。
・ なぜなら△△だから

 ミクシィ「みてね」の事例をその型にあてはめると、次のようになります。

【ミクシィのとらえたインサイト】
・ みんな/世の中は、子どもの写真の管理は「思い出/記録を残したい」と思っているかもしれないけれど
・ 実は/本当は、「リアルタイムで成長を共有し、共感を得たい」のではないか?と自分は思う。
・ なぜなら実際に「子どもが生まれた日から遡って写真・動画をアップしていくUI」は不評で、ユーザーは「今日の写真や動画」を家族や親しい人のみに共有したいと考えていた。

「人を動かす“隠れたホンネ”」を起点に、独占的な利益を生み出す新規事業を実現する

 つまりミクシィは利用者が真に望んでいるものを見つけたから、次なる収益の柱となるような新規事業の創出に成功したのです。

ミクシィが次なる収益の柱「SNSじゃない」新規事業に成功した要因とは?『センスのよい考え方には「型」がある』佐藤真木、阿佐見綾香(サンマーク出版)

 ミクシィの「家族アルバム みてね」のように、利用者の気持ちに深く寄り添い、ホンネを追求することで、人を動かす隠れたホンネ=「インサイト」をとらえた、大きな利益を生み出せる新規事業を生み出せるかもしれません。

 拙著『センスのよい考えには、「型」がある~感覚を言語化するインサイト思考~』では、新規事業の開発に役立つ「インサイト」の発見方法を、「出世魚モデル」という5つの思考ステップと、シンプルな「逆説モデル」として整理しています。誰でも実践できる再現性の高い「型」として解説しており、新規事業を成功させたい方にとっても有益な内容となっています。ぜひ参考にしてください。