
電動アシスト自転車に乗ったことがある人ならば、普通の自転車に比べ、漕ぎ出しの力強さや坂道を登るラクさがこんなに違うのかときっと驚いたはずだ。以前は16万~17万円程度と高価だったが、今は普及して価格が下がり、6万円を切る製品まである。同様に、人間の体の動きを“電動アシスト”する装置は「エクソスケルトン(外骨格)デバイス」と呼ばれている。今回は筆者が自腹で購入した、脚の筋力を増強するエクソスケルトンデバイスを紹介する。いわば「電動アシスト脚」を装着したら、どんな歩き心地になるのか?(テクノロジーライター 大谷和利)
香港産のエクソスケルトン「Hypershell Pro X」をクラファンで購入
エクソスケルトン(外骨格)デバイスとは、「電動アシスト」というコンセプトを、より人間の身体機能に近づけたものだ。例えば介護の現場で人を持ち上げたり、移動させたりする場合などに使われている。そして、これをさらに日常使いできるようにしたものが、歩行やジョギング、階段の昇降などをサポートする、いわば「電動アシスト脚」とでも呼ぶべき製品だ。
筆者が購入したのは、最先端のエクソスケルトンである「Hypershell Pro X」である。Hypershellは、香港をベースとする同名の企業が開発した製品で、ちょうど2年前の今頃にクラウドファンディングが成立し、市販バージョンの開発が始まった。当初は、その年の9月に出荷予定だったが、クラウドファンディングには付きもののプロジェクトの遅れが発生し、つい最近になって筆者のところにもようやくリワードの製品が届いた次第だ。
エントリーモデルのHypershell Go X、ミドルレンジモデルのHypershell Pro X、ハイエンドモデルのHypershell Carbon Xというラインナップで、筆者が支援したのは、ミドルレンジモデルのHypershell Pro Xである。
3モデルの違いは、主に素材(重量)と出力にあり、Go XとPro Xはアルミ合金とステンレス、強化ポリマー製で2kg、Carbon Xはアルミ合金とチタン合金、カーボンファイバー製で1.8kgとなっている。また、Go Xは0.5馬力相当、Pro XとCarbon Xは1馬力相当の脚力アシストが得られる。自動判別できる運動の種類も、Go Xの6種に対して、Pro XとCarbon Xは10種となっている。