Hypershellでアシストすると「疲労感は少ないのに運動量が増える」
そして、運動時に装着していたApple Watchのフィットネス機能で各種の情報を確認してみると、意外なことがわかった。Hypershellのアシストありのほうが、ほぼ同じ距離を意識せずに短い時間で移動できた点は思った通りだったが、消費カロリーや平均心拍数はアシストありの数値のほうが大きかったのである。アシストがあれば楽ができるので運動量が減り、心拍数も抑えられるのではという予想が外れたのは、逆に身体が動きやすくなり、通常よりも筋肉を多く使うなどの変化があったためと考えられる。
一方で、疲労感は明らかにアシストありのほうが少ない。テスト後にアシストをオフにすると、ちょうど水泳でプールから上がったときのように、身体、特に脚が急に重く感じられて、Hypershがかなりの負荷を負担していたことに気づいた。

筆者は脚力に自信のあるほうで、歩けるうちは足に負荷をかけ気味にしたほうが筋力の衰えを遅らせられると考えている。しかし、それでもトレッキングの際などには安全のためにもHypershellを活用したいし、加齢とともに脚力が落ちてきたら、日常的にHypershellを活用することになりそうだ。
ちなみに価格は、2年前のクラウドファンディングの時点ではPro Xの支援価格が日本円で6万円弱だったが、現在の定価は、Go Xが799ドル、Pro Xが999ドル、Carbon Xが1499ドルで、かつ円安の影響もあって気軽に手を出しにくいかもしれない。しかし、実際に山歩きで活用しているユーザーからは必需品になったという声も聞かれるので、目的がはっきりしていれば、それに見合う価値を提供する製品である。
最後に、Hypershellの公式サイトから、この製品によって歩行力を取り戻したアメリカのユーザーのコメントも紹介しておきたい。
1.右腰と脚に坐骨神経痛がありますが、HyperShellを着用すると、すべての痛みがなくなりました。HyperShellを外すと痛みは再発しますが、着用中は痛みが出ません。
2.右ひざの軟骨がほとんど残っていないため、歩き方がかなりぎこちないです。しかし、HyperShellを着用すると、マッチング&リフティング機能により、私の歩行は完全で正常な歩行に戻りました。
ありがとうHyperShell! 私の支援は思いつきで行ったものでしたが、背中や脚のケガをした人の治療と回復に本当に貢献できる製品です!
外骨格は、痛みが身体的な緊張(例えば、長時間の立ち仕事など)に起因する場合、慢性的な腰痛軽減に役立ち、体重を再分配して筋肉/関節のストレスを減らし、持久力を向上させます。ただし、外骨格は医療機器ではなく、根本的な原因(例えば、椎間板ヘルニア、関節炎など)を治療することはできませんので、診断と治療については、必ずまず医師に相談してください。
同様の症状に悩む人たちにとっても、Hypershellは試す価値のあるデバイスといえるだろう。