“大企業病”に陥らず、バリューを大切にしたい
さまざまな研修を内製しているプレミアグループだが、「バリューミュージカル研修」のようなユニークな研修はほかにもあるのだろうか?
田中 たとえば、入社6カ月目の研修でも、音楽座さんと組んでミュージカルを取り入れています。そちらは、プロのミュージカルの稽古を鑑賞することがメインで、プロフェッショナルマインドを研修受講者に知ってもらうようにつくっています。入社6カ月目は、職場に配属されたものの、「思い描いていた理想と現実が違う」といった違和感を持ち始める時期です。仕事の内容をインプットしたけれど、思うようにアウトプットできなかったり、できない言い訳を持ったりする時期です。プロフェッショナルな人たちがミュージカルを創作する――人と人がリアルに向き合い、お客様に最高の作品を届ける過程を見ることで、「本物の仕事って、こういうことなんだ」という気づきが生まれます。「社会人になって名刺を持ち、プロのつもりでいたけれど、そうではなかった」と。入社1年目の研修受講者たちが、プロフェッショナルな人たちの姿勢に強い刺激を感じていきます。

それぞれの社員の年齢や階層に合わせた研修を企画している田中さん。若手社員にはどう育ってほしいのだろう。
田中 当社は、現在、グループ全体で約800人規模(*2)の会社です。組織が大きくなると、いわゆる“大企業病”のような弊害が出て、保守的な姿勢の社員が増えることもありますが、当社は、「変化イコール成長」だと思っています。若手社員は、変化し続ける組織の中で、変化し続けられる人であってほしい。「変化する」という意識を一人ひとりが持ち、変化を楽しむことで、会社も、より良い方向に変わっていきます。「バリューミュージカル研修」も、その期待を持って続けています。やがて、ミュージカルの創作と発表を経験した社員がリーダー層になり、それぞれの組織をプラスの方向に変えていくでしょう。
当社は、創業して10年目で上場しましたが、代表の柴田は、「現状維持は衰退」と言い続けています。“大企業病”に陥らず、バリューを大切にして、人間力を持った“人財”が育ってほしいですね。
*2 802名(連結/2024年12月末時点 臨時雇用者を除くグループ従業員数)