もし、こういう子育てをしたいというビジョンがあるのであれば、まずは親が自分の振る舞いを見直さなければなりません。
上辺だけ取り繕っても何かあったときにすぐに元に戻ってしまうので、本当にそういう人間に生まれ変わって生活することが大切だと思います。
子どもの「素直さ」は親子の関係の中で育まれる
「どんな子どもが伸びますか?」
これは、講演会などでも他のチームの指導者と話していても、本当によく聞かれる質問です。
もちろん、答えはひとつではありません。いろんな場面において「任せる」ことで、子どもはグンと成長していきます。
ただひとつ、間違いなく言えることは、やっぱり「素直な子」は伸びます。伸びやすいです。
特に小学生年代では、その子が持っている基礎体力などはあまり関係ありません。
では、「素直さ」とはいったい何なのでしょうか。
たとえば練習中、子どもに何か少しヒントを与えたとします。
少し時間を置いてから見て「おぉ、この子は変えようとしているな」「さっきとは全然違うことをやっているな」と、はたから見てチャレンジしているのが分かる。
そういう子は確実に伸びます。
指導者が上手く導いてくれているのに、何も考えずにただ同じことをガムシャラにやっている子はなかなか難しいと思います。
本人も一生懸命やっていて、正しく努力できているように思えますが、誤った努力になってしまっていることも多々あるでしょう。
そして、保護者の方や周囲の大人に意識してもらいたいのは、「素直さ」は親子の関係、保護者との関係の中でできあがっているものかもしれないということです。
たとえば私(指導者)が、親子の前でアドバイスを提示したとします。
そんなとき、親が子どもに「自分のそのやり方も分かるけど、コーチの言っていることを1回試してみたら」と問いかけるのか、それとも「いや、自分がそうやりたいと思っているなら、別に変えないでいいよ。自分のやり方でやりな」と言ってしまうのか。