
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#45では、宮崎県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
宮崎県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
宮崎銀行、宮崎太陽銀行が倒産させた企業は何社?
宮崎県トップの地方銀行・宮崎銀行が採用競争で攻勢をかける。2026年4月入行の初任給を総合職で1万5000円引き上げ、大卒・高専卒27万5000円、大学院卒28万5000円とする方針だ。転勤のないエリア総合職も1万円増とし、3年連続の改定で県外からの優秀な人材を呼び込む狙いである。
好業績が追い風だ。25年3月期の純利益は前期比38.0%増の97億円、本業ベースのコア業務純益も同35.9%増の180億円。金利上昇と手数料収入の拡大が寄与し、貸出金残高は期末で2兆3965億円(同4.7%増)に達した。
九州では肥後銀行や鹿児島銀行も初任給を引き上げており、宮崎銀行も賃金への先行投資で人材を確保し、地域金融機関としての存在感を高めたい考えだ。同行の経営は地元企業に直結する。企業を育てて生かすのも銀行、危機に陥れば命運を握るのも銀行だからだ。特にメインバンクが「支えるか、引くか」は、再生か倒産かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
24年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地銀、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、宮崎県の金融機関を取り上げる。宮崎銀行、宮崎太陽銀行のほか、宮崎第一信用金庫や延岡信用金庫なども名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の宮崎県の結果を確認していこう。