
メガバンクに第一地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#50では、信金を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
融資先企業を最も倒産させてきた信用金庫は?
横浜信金、多摩信金が倒産させた企業は何社?
メガバンクや地方銀行ほどの規模や経営資源はないものの、信用金庫は株式会社型の銀行とは異なり、地域の発展を最優先する協同組織金融機関だ。今回は、その特性を備えた信金にスポットを当てる。
地域に密着した信金の動きは、資金を調達する地元の小規模・零細企業にとって大きな関心事だ。企業を育てて生かすのも金融機関、危機に陥れば命運を握るのも金融機関である。特にメインバンクが「支えるか、引くか」は、再生か倒産かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある金融機関のことを指す。ただ、企業側と金融機関側で認識が異なっているケースもある。
2024年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの金融機関が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その金融機関の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに第一地銀、第二地銀、信金に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、信金を取り上げる。ランキングの上位には規模が大きい信金が入っており、6位に多摩信用金庫(東京都)、3位に横浜信用金庫(神奈川県)がランクインしている。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。第一地銀や第二地銀、信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
3月から始まった本特集も、終わりが近づいてきた。残る金融業態別ランキングは信組。そして、続く最終回は、全金融業態をカバーした総合ランキングをお届けする予定だ。それでは早速、今回の信金の結果を確認していこう。