そのなかには、髪の成長、視力の向上、多くの病気の治癒といった効果もふくまれていた。つまりはうまくいかない男性の能力を、ぐっと引き上げたのである。

生殖腺の治療法は
何より重要な科学的発見
ヨーロッパで勝利を収めた後、シュタイナッハの名前は米国で最初にその分野の専門家として世に出るようになる。『ニューヨーク・メディカル・ジャーニー』誌が、老化との戦いにおいて、彼の仕事を「偉大なる進歩」と評したのである。
永遠に若くあれ!1920年代初頭から1930年代の終わりまで、人間の生殖腺を中心に置いたメイポールダンス(編集部注:5月に欧州各地で催される、春の到来を祝うまつり。キリスト化する前のケルト・ゲルマン文化の男根崇拝に由来。場の中央に高く立てられた太い棒の先から長いリボンを多数垂らし、その周りで少女たちが踊る)に大勢が加わった。

こういった動きの全体を見据えてヴォロノフは、『ライフ』というあっさりしたタイトルの自著で意見を述べている。
「将来の外科手術は、人体の生殖腺を生きながらえさせ、必要ならば取り替えることに特化されるに違いない。それによって命を長らえ、活力や健康を……個人レベルでも人類レベルでも、いまの時代、これを超えるほど重要な科学的発見があるだろうか?」