不幸に対処するコツは
「背中を見せない」こと

少し勇気を出して向き合えば
悩みの大きさは、
思っていたよりも小さいことがわかる。

 犬の近くを通るとき、吠えられたらイヤだな、イヤだなと思っていたら、ほんとうに吠えられたという経験はないだろうか。こちらが恐れを抱いていると、犬はその雰囲気に感づき吠えるというわけだ。

 犬が怖いという人は、なるべく犬と出会わないようにすることである。それでも犬と出会うことがあったら、落ち着いて対処の方法を考えることが必要である。恐れず、正面から向き合うことだ。そうすると、意外と犬も吠えてこない。

 これは犬に限ったことではなく、人生のさまざまな不幸に対処する態度と共通することである。イヤなこと、トラブル、人間関係の不和、仕事の行き詰まり等々に襲われたとき、いかにこれを乗り切るかは、「背中を見せない」ところにコツがある。

 後ろ姿を見せてしまえば、犬が追いかけてくるように不幸もかさにかかってあなたの心を不安定にさせるのだ。

「なんでこんな目にあうんだ」と怒るのも効果はあるようだ。実験などによると、怒りの感情を起こすことで、一時的にストレスに対する抵抗力が上がるという。

 しかし、それはもっても5日が限度で、いつまでも怒っていると今度は逆に抵抗力が低下するというデータもある。怒るときは積極的に怒り、さっさと忘れるというのがよさそうだ。

 怒りも悲しみも、これに対処するためには、その原因から目をそらさないことだ。これは、危機を乗り越える最良の手段と言える。前向きであれば、危機は見た目の大きさよりも実は小さいことがわかってくるのである。

人生は、平穏無事に過ごすより
色々あったほうが充実する

踏まれたり叩かれたりしながら
頑張って生きてきた人のほうが
より人生を充実させられるのだ。

 もうずいぶん昔のことになるが、私の末の息子が小学生の頃に、泰山木の苗木をもらってきた。