自分は将来どうなるだろうか……。そんな不安を持つ人は少なくない。「いつまで第一線でいられるか」「いつまで他人と競えばいいのか」「いまいる友達は60歳になっても友達か」「気力体力はどうなるか」「お金は?」「いまのうちにやるべきことは?」など。そこで本連載では、2025年に60歳を迎える奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。吉川晃司との新ユニット「Ooochie Koochie」(オーチーコーチー)も話題の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その頭の中をのぞいてみよう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)

Photo by Takahiro Otsuji
いくつになってもクヨクヨしていい
人間、何十年も生きていれば、誰でも多かれ少なかれ失敗する。
それは「ああ、やっちゃったな」ってレベルのものから、大ダメージを生むものまでさまざまだけど、当然俺もこの何十年で数限りなく失敗した。
でもそんなの1つも思い出せない。
クヨクヨしてもなんとかなる
昔から俺は失敗したら、そのたびにクヨクヨしてきた。
でも落ち込んだときはクヨクヨしたっていいと思う。
無理してすぐ立ち直ろうとしなくても、そのうちなんとかなるからだ。
対策1 積極的に忘れる
俺はいまだにクヨクヨするけど、それが長引かないのは、毎日、なんとかやってるうちに忘れるからじゃないかと思う。
自分に期待をしてないせいもあるけれど、過度の期待をしていなければ失敗しても落ち込み方は少なくなる。
対策2 自分にガンガン期待する
松岡修造さんみたいに明るい人は、「俺はできる!」と自分にガンガン期待して、ポジティブに切り抜けるのもいいと思う。
松岡修造が暗かったらなんだかヤだけど、いずれにしてもクヨクヨは、結局のところ自分の方法でなんとかするしかないと思う。
対策3 身の程をわきまえる
クヨクヨの原因は「身の程知らず」にあることもある。
ゴルフで言えば若いときはドライバーで250ヤード飛んだのに、俺の歳になって30代の飛距離が出ないからってクヨクヨする必要はまったくない。
しなくてもいいクヨクヨはしなくていいし、30代の頃の筋力をキープする努力もしないで未来のクヨクヨはなくならないから、努力なしでクヨクヨをなくそうとしてもそれはできない。
だから一度は自分を見直す必要もあるかもしれない。
要はバランス
身の程を知ることも、自分に期待するのもいいけれど、ただそのバランスをうまくやらないとクヨクヨは想像以上に長引いてしまう。
俺はすぐ忘れるから大丈夫だけど、クヨクヨが長引く人はここを工夫するといいかもしれない。
(本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)