仕事ができても「絶対に管理職にしてはいけない」3つのタイプとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「名選手、必ずしも名監督にあらず」――これは、ビジネスの世界にも当てはまる。個人で成果を上げる能力と、チームを率いて成果を生み出す力は別ものだ。なのに、多くの企業が「成果を上げた社員=昇格」と判断し、適性を考慮せずに管理職にしている。では、どのような社員を昇格させればいいのか。優れた管理職の育て方を解説する。(ブレインマークス代表取締役 安東邦彦)

優秀なプレイヤーが良い管理職とは限らない

 突然ですが、クイズです。役割と責任を十分に理解していない社員を管理職に昇格させると、組織内でどのような問題が生じるでしょうか?

 典型的なパターンとして、三つの回答を紹介します。

◆「カリスマ型」管理職
 バイタリティにあふれ、学生時代に運動部のキャプテンを務めるなどリーダーシップを発揮して、仕事でも高い成果を上げる。部下の心をつかむのが得意で、カリスマ的な魅力でチームを引っ張ることができる。

 一方で、独自のスタイルを貫きすぎるため、チームに独自の文化や運営方法が生まれ、会社のビジョンから逸脱するリスクあり。一度ズレが生じると、組織全体に混乱を引き起こす。特にこのタイプの管理職が辞職した場合、部下たちが不安を感じ、管理職と共に離職するケースも少なくない。

◆「お山の大将型」管理職
 競争の中で育ち、部下に対しても成果を競い合うスタンスを取るのが特徴。感覚的に仕事を進め、「なぜ自分が成功しているのか」を説明できないため、自身の背中を見せることを教育だと思っている。時に部下と競争し、自らが勝利してしまうことも。