チームを伸ばす優秀な管理職と、成長を止めるダメ管理職の「決定的な違い」写真はイメージです Photo:PIXTA

「名選手、必ずしも名監督にあらず」――これは、ビジネスの世界にも当てはまる。個人で成果を上げる能力と、チームを率いて成果を生み出す力は別ものだ。なのに、多くの企業が「成果を上げた社員=昇格」と判断し、適性を考慮せずに管理職にしている。では、どのような社員を昇格させればいいのか。優れた管理職の育て方を解説する。(ブレインマークス代表取締役 安東邦彦)

優れた管理職を育成する三つのポイント

 優れた管理職を育成するのに重要なのは、プレイヤーと管理職の役割の違いを理解した上で、適切なスキルを身につけた人材を任命する、もしくは育てることです。そのためには、成果を生み出す管理職に求められる「視点」と「スキル」を明確にしておく必要があります。具体的に三つ紹介します。

(1)視座の変更
 視点を「個人」から「チーム」、さらには「会社全体」へと広げましょう。管理職には意思決定や結果に責任を負う能力が欠かせません。また、部下の育成や適材適所での配置、個々の能力を引き出すことも重要です。

 しかし、多くの管理職は「部下に嫌われたくない」「自分の業務を優先したい」といった理由から視点を広げられず、目先の業務に追われ、長期的なビジョンを見失いがちです。

 管理職の役割は、「会社の理念やビジョンを理解し、それを実現するためにチームとして目標を達成すること」です。つまり、「このチームはどうあるべきか?」という視点で考え、その考えをチームの行動に具体的に落とし込む力が必要です。

 視座の欠如が招く問題について理解していますか? ここで、チェックリストを使って確認してみましょう。