私なら、これから5年ぐらいの当面の間、取り崩す必要がない余力の銀行預金があれば、それを以下の条件でNISAに移すことをアドバイスします。

1. 投資信託ランキングで人気の上位商品(トップ3のうちのどれか)
2. 年間投資額を決めて毎月一定額を(時間軸で)分散投資
3.「毎月分配型」の商品は選ばない

 考え方としては若者の投資方針と実は変わりません。結果としてバランスファンドも毎月分配型ファンドも選ばないことになります。説明しましょう。

 円貨と外貨に半分ずつ、株と債券、不動産にそれぞれ3分の1ずつ投資するバランス型ファンドは一見、安全に見えます。しかし実際は2つのリスク商品(ないしは3つ?)を取り込んでしまっています。それは日本国債と日本の不動産です。

 日本の国債と日本の不動産について、読者のみなさんはどう考えますか?

 政府が無制限に発行する国債で、日本政府の国家予算は一般会計・特別会計ともに増加し続けています。しかも今後、日銀の利上げがあるたびに債券価格は下落します。

 一方で首都圏のマンション価格は相変わらず好調で、平均価格が1億円を超えました。それがこの先も上がり続けるのでしょうか。債券と不動産は安全資産だと言えるのでしょうか?

 実際に数字を見るとちょっと不安になるかもしれません。投資信託には円資産に分散して投資するファンドもあります。

 調べてみると債券70%、株式15%、不動産15%という以前の理論では安全重視に該当していた投信(東京海上・円資産バランスファンド)の過去5年間の平均利回りはマイナス1%、つまり日本株は上がっていても3資産への分散投資ではマイナスになっているのです。そのうえ、もしトランプ関税で日本株が下がり続けることがあれば、バランスファンドの抱えるリスク商品は3つに増えてしまうでしょう。

 これがバランスファンドのリスクです。私のアドバイスは金融機関のアドバイスは聞いてはいけない、市場原理を信じて投資信託の人気ランキング上位3つから選べというものです。その考え方ならこの先もバランスファンドではなくオルカンか米S&P500が選ばれることになるでしょう。