「あの人は結婚して子どももいるのに、なんで自分はひとりなんだろう……」「SNSで人の幸せを見るのがしんどい……」「同期は出世したのに自分は……」。
あなたも、「誰か」と自分を比べてつらい気持ちを抱えたことはありませんか。現在、心理カウンセラー・イメージコンサルタントとして大勢のクライアントを持ち活躍する瀧本紗代氏も、かつては「他人と自分を比べて」どん底で病にもなった経験があると言います。では、瀧本氏はどのようにして「比べる思考」を手放し前向きな人生を歩めるようになったのでしょうか。本記事では、その方法を紹介した瀧本氏の著書『「あの人」と「わたし」を比べない練習』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋、編集してお届けします。

予約半年待ちのカウンセラーが教える「セルフイメージ」を変えるたった一つの習慣Photo: Adobe Stock

人はセルフイメージどおりの人生を送る

私たちは、自分が自分のことをどう思っているかという「セルフイメージ」にあった行動を無意識のうちにとっています。

たとえば、自分のことを「人前で話すのが苦手」と思っていたら、できるだけ人前に立つことを避けようとするでしょう。また、「運動神経があまりよくない」というイメージを持っていたら、積極的にスポーツをしようとは思わないでしょう。

人間が持つ「セルフイメージ」は、「環境」「経験」「学習」「常識」そして「教育」などからつくられると考えられています。

そして特に、まだ幼い6歳から12歳ごろまでの経験が、強烈に「思い込み」として潜在意識に刻み込まれると言われています。

たとえば、私の場合、小学生のころ、同級生の兄に「妹のほうがかわいい」と言われたことから、ずっと自分はかわいくないと信じていました。また私は、世間から見てよいと思われる生き方を求める父に、特に理由の説明もなく、自分の考えや希望などを否定されることが多かったため、「父親の要求に満たないダメな子ども」「デキが悪い」というセルフイメージを持ってしまいました。

そして、「自分の意見は求められていない」「自分の考えで行動するのはよくない」と考え、一般的な常識などに従うようになっていたのです。

ただ、このセルフイメージは、大人になってからの経験や自分自身のアプローチで、いくらでも書き換えが可能です。

人は自分の持つ、セルフイメージどおりの人生を送ります。ですから、自分の魅力を引き出して、豊かな人生を送るためには、自分自身に対して否定的なセルフイメージをどんどん書き換えていくことが大切なのです。

ありのままの自分に100%のOKを出す

私は自分の経験から、頑張れば頑張るほど、セルフイメージは下がる一方だと思っています。

私はずっと「自分には、あれが足りない」「これもない」とまわりと比べて、自分にないものばかりに目を向けていました。そして、何かを付け足そうと、必死で頑張ってきたのです。

私と同じように、何かを付け足して「理想の自分」になれば幸せになると思っている人も少なくないでしょう。

でも、足りない何かを付け足して、「すごい自分」や「デキる自分」になろうとすればするほど、「今の自分はダメ」と、自分に言い聞かせているようなもの。

他人に認めてもらおうと頑張り続けるのは、セルフイメージを高めるためには逆効果だと知ってほしいです。

「自己肯定感」というのは、「“自分はすごい”と思える」マインドのことではなく、「ありのままの自分」を認めてあげることです

一般的なものさしで測ったら「よい」ところも、「悪い」ところも、そのままの自分を受け入れてあげる。

ありのままの自分に、「そのままでいいよ」と、100%のOKを出せるようになると、人生が大きく変わっていきます。