
「ビジネスのヒントは宇宙世紀にあり!」誕生から40年以上、今もなお人気が衰えないガンダム。経営、戦略、リーダーシップ、ビジョンなど、実は仕事で発生する幾つもの課題が垣間見えるエピソードの宝庫でもあります。実社会では、モビルスーツなどの機体は使いませんが、私たちが市場で勝ち残るための戦略を練るときに、ガンダムのストーリーがビジネスのヒントになることも。宇宙世紀に思いを馳せつつ、楽しみながらご覧ください。
戦略とは「目的」と「資源」である
「戦略」とは、多くのビジネスパーソンが頻繁(ひんぱん)に使っていながら、意味が曖昧(あいまい)なままになっている言葉の筆頭格です。同時に、うまく使えるようになると自身の勝率を大きく高められます。マーケターにガンダム好きが多いのは、戦略の諸相を多く含んでいることも理由かもしれません。題材としては好適です。
「下手の考え休むに似たり」などと言われたり、「考えている時間があったら行動しよう」などと檄(げき)が飛んだりすることもありますが、よほど考えるのが下手でもない限り、考えてから行動する方が、効果も効率も高いのは自明です。
考える能力があるのに使わないのは、サイコミュ搭載なのに腕部を射出しないジオングのようなものです。あれは飾りではありません。考えていることを行動しない言い訳にしてはいけませんが、考えることをないがしろにするのも残念です。
腕部装着のまま撃発のチャンスがあればチャンスを最大限に活かすべきですが、そうでないならサイコミュを使うべきです。
ビジネスやマーケティングで考えるべきことの多くは、戦略を明らかにすることで解決しやすいものです。なぜなら、「達成したい目的があるのに、投入できる資源が限られている」ときに戦略が必要となるからです。
ビジネスのジレンマのほとんどは、この記述で描写できます。そして、そうした状況はガンダムの世界にもあふれています。であるなら、このようにストレスフルな状態でも、気持ちひとつでドラマチックに楽しめるかもしれません。
目的を達成した状態から逆算せよ
さて、戦略を考えるときに重要なコツが二つあります。そのひとつ目が「目的」から考える、です。「戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ」というシャアの有名なセリフがあります。次に何が起こるか、それにどう対処するか、考えて行動するべきだと解釈できます。
とはいえ、ニュータイプでもない我々が二手三手先を考えてみたところで、そうそう当たるものではありません。そこで、こんな方法があります。
「目前の一手の先の二手目、三手目を考えるのではなく、三手目を最初に考える」というものです。三手目とはすなわち、目的が達成された状態です。いずれ、あれを達成したい。そのためには、一手前にはこうあるべきで、その一手前はこうあるべきだ、と考えます。