では、それほど圧倒的な資源量を誇っていたガルマが破れたのはなぜか。それは、坊やであったことでシャアの策謀を見抜けず、投入できるはずの総資源量を十分に使えなかったからです。
ドーム球場に待ち伏せするホワイトベースの主砲の前に、ガウ攻撃空母は脆弱(ぜいじゃく)な背面をさらしてしまいました。この状況下では総資源量の優劣は、明白にホワイトベース側が圧倒しています。
このように考えると、「強さとは投入可能な資源の総量である」という定理も見えてきそうです。さらには、勝者は総資源量に勝った側である、とも考えられるでしょう。
「幸運」の要素も「資源」になり得る
ここで勘案されるべき総資源量は多岐(たき)にわたります。
『ガンダム』で描かれる少数モビルスーツにおける遭遇戦では、機体の設計性能と整備状態、パイロットの能力とその日の調子、僚機の援護といったチームの体制や、地形・天候を含めた戦闘環境などが変数として作用しつつ、それぞれの資源を足し上げた総資源量の多い方が勝っています。
モビルスーツの性能の違いが普遍的に戦力の決定的差になるわけではありませんし、自分の力だけでなくモビルスーツの性能のおかげで勝てることもあるでしょう。
こうした資源には、場合によっては「運」の要素も含まれるでしょう。天候などと同じく管理できず、実戦ではアテにもしにくいですが「幸運」も資源です。
キャリア上、運が悪かった人はブランドマネジャーになれない、という企業の話を噂(うわさ)に聞いたことがあります。大事なポジションなので、運の悪い人に任せたくない、という理由だそうです。あまり科学的でもなさそうですが、正面の競合が常に幸運の持ち主というのは、相手にしたら気持ちのいいものではありません。
強くなるために「資源」を増やせ
総資源量の優劣が勝敗を決めるとはいえ、ジャブローの地下基地内に投入できるモビルスーツの機数は、ソロモンやア・バオア・クーに配備できる機数とは大きく異なります。空間の大きさが違うからです。