エース・パイロットはいかにして“知られた”か?
読者の皆さんは、そこそこキャリアを積んできたものの、まだまだキャリア形成の途中という方が多いのではないでしょうか?
キャリア形成というのは、闇雲に転職を繰り返しても得られるものはないのは言わずもがな。どうすればよい未来に向かっていけそうか、ガンダムに例えながら考えていきましょう。
・100機を撃墜した“ソロモンの悪夢”アナベル・ガトー
・レビル将軍を捕縛した“黒い三連星”ガイア、オルテガ、マッシュ
・一年戦争前からゲリラ戦の名手“青い巨星”ランバ・ラル
エースらしいエースは、それぞれの武勲(ぶくん)とともに名を知られています。
キャリアにおいて「知られていること」というのは重要です。「地道に頑張っていれば、きっと誰かが見ていてくれる」と信じつつ、主体的にキャリアを考えるのも正義かもしれません。「出る杭を評価したいが、出てくれないと見つけられない」という会社もあるでしょう。
いくつかの外資系企業では、こうした「個人のブランディング」を、人事部と一緒に仕組み化しています。実績と能力評価だけではない、「キャリア力」とでもいうべき考え方です。
自衛隊幹部学校の元戦術教官が書いた『兵器と戦術の日本史』という本では、「戦闘力」を、「(破壊力を含む)殺傷力」「移動力」「防護力」の3つの要素に分割して整理しています。広く曖昧(あいまい)な概念も、分割することで理解し管理しやすくなります。
「キャリア力」も、次の3つの要素に分割できます。すなわち、「Performance(パフォーマンス=能力)」「Image(イメージ=確立された印象)」そして「Exposure(エクスポージャー=露出)」です。頭文字をとって、「PIE(パイ)モデル」と呼ばれることもあります。
・1.Performance(パフォーマンス=能力)
Performanceとは、能力のことです。日本語でパフォーマンスというと「人目をひくための派手な演出」のことを指すようですが、英語の原義は「現実の成績や実績」です。パフォーマンスがいい、というのは「よく目立つが空虚」ではなく、「実績が出ている」ことです。
日英で意味がほとんど正反対なので注意が必要です。形容詞では「高性能の」という意味になります。