
過去のどうしようもない悩みや問題について考えてしまい、思考が進まなくなることは誰しもあるだろう。それが、時間のムダとわかっていてもだ。そんなモヤモヤした悩みを解決する思考法を紹介する。※本稿は、岩尾俊兵『経営教育 人生を変える経営学の道具立て』(角川新書)の一部を抜粋・編集したものです。
1億2000万の“金鉱”をどう活かす?
日本人の脳みそに眠る価値とは
私は「人間の脳みそは価値を生み出す油田や金鉱のようなものだ」と書いています。むしろ、日本には頭脳という油田が1億2000万カ所もあって、そこから石油以上に価値あるものが豊富に湧き出るようにすれば、現代日本の問題は解決するわけです。「お金は刷ればいい」ではなく「価値(イノベーション)は創ればいい」というわけです。
この貴重な脳みそという資源が解決不能な悩みに支配されて停止してしまうのは、これ以上ないくらいムダです。解決「可能」な難問を何日も何年も解き続けるとか、悩み自体を楽しむというのならかまいません。しかし、解決できないことが明白で、自身も苦しんでいるのならば、そんな悩みと付き合う意味はありません。
とはいえ、私たちがそうした過去に捉われてしまいがちなのも事実です。そこでどんな現実・過去もプラスに変えて次なる一手を打ち続けるための思考道具を紹介していきます。この思考道具は、経営思想家ドラッカーの『マネジメント』『創造する経営者』から着想を得て筆者が考案したものです。
七転八起の四角形は、過去のマイナスを次の一手で打ち消す思考道具です。