「絶対俺の子じゃない!」元妻が離婚後出産で養育費を請求、戸籍上のパパは応じないといけないのか?元妻が離婚後に出産。身に覚えがないのに民法の規定でパパになってしまった男性に養育費の支払い義務はあるのか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

筆者は、吉本興業でお笑いコンビ「オオカミ少年」として活動する傍ら、探偵事務所の代表も務めています。探偵歴十数年の中で数えきれないほどの調査依頼を受けてきましたが、深く心に残っている調査の中に、ある依頼者が“父親ではない子ども”との関係に翻弄された壮絶な案件があります。結婚相手の不貞調査はよくあるご相談ですが、今回ご紹介するのは、離婚後に突然「あなたに扶養義務がある」と元妻から連絡を受けた男性のケースです。探偵として真実を突き止めることが使命とはいえ、この調査では依頼者の苦悩と葛藤、“法律が抱える理不尽”にも直面しました。今回は、そんな現代社会に潜む婚姻と血縁のすれ違いにまつわる、実話に基づくエピソードをお届けします。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳、登場人物はすべて仮名)

元妻から届いた
離婚後出産した子の養育費請求

オオカミ少年・片岡正徳オオカミ少年・片岡正徳

 2024年の5月下旬に、事務所に相談に来られた前川千太さん(男性・42歳)は、まずはこれを見てほしいとスマホを差し出してきました。

 その画面には“養育費請求書”と書いてあり、以下の内容が記載されていました。

養育費請求書
・請求日:2024年5月20日

・宛先:前川千太

・差出人:前川舞美

・子どもの情報:前川翔也
2024年4月10日生まれ
(親権者 前川舞美)

・請求内容:月額6万円を2024年6月10日までに指定の銀行口座へお振り込みください。

・振込先の口座情報
○○銀行○○支店
前川舞美名義
普通口座XXXXXXX

・連絡先:090-XXXX-XXXX

・このメッセージの送信日より10日以内にご連絡がない場合は法的措置を検討します