
今年2月の春節以降、急激にロボット産業が成長している中国。ちょっとした「ロボットブーム」ともいえる状況だ。ロボット犬も人気だが、今回のブームで話題の中心となっているのは人型ロボット(ヒューマノイドロボット)。春節のテレビ番組で16体のロボットが人間と共に群舞する様子が大きな話題になったほか、先日は北京で人型ロボットと人間のハーフマラソン大会が実施され、これまた大勢の人たちが熱狂した。「世界初」の大会はどんなようすだったのか?(フリーランスライター ふるまいよしこ)
世界初、人型ロボットによるハーフマラソン大会開催
4月19日、北京で、世界初の人型ロボットによるハーフマラソン大会※が開催された。緑地帯で区切られた隣のレーンからは人間の選手たちもスタートを切り、人間とロボットが同時に同じ距離のレースを競う(同じ大会内で別コースを並行走行)ハーフマラソンという点でも世界初の試みだった。
参加したのは中国国内各地の20社あまりが開発した二足歩行ロボットたち。ロボットレーンに並んだ各「選手」たちは、人間レーンとは異なり、一斉スタートではなく1分毎の時差を設けた「ウェーブスタート」方式を採用。勝敗はスタートからゴールまでにかかった時間で決まることになっていた。これは身をかわす柔軟性をまだ持たないロボット選手同士の衝突を避けるための配慮だったが、同時にスタート地点に集まった観客たちに「世界初」のマラソン大会に挑む「勇者」たちの姿をじっくり観察してもらう絶好の機会ともなった。
Man, machine, marathon!#Beijing hosted the world’s first half #marathon where humans and humanoid #robots raced side by side!
— Mao Ning 毛宁 (@SpoxCHN_MaoNing) April 19, 2025
Tiangong Ultra took gold in 2h40m42s. pic.twitter.com/759Q2m5F7x
※編注:二足歩行ロボットが単独で長距離マラソンに挑む大会は、2011年に大阪で開催された「ろぼまらフル」が世界初。5体の二足歩行小型ロボットが100メートルトラックを422周するフルマラソンだった。人型ロボットによるハーフマラソン、人間と人型ロボットが同時に走る(ハーフ)マラソン大会は北京のこの大会が初めて。