気になる韓国米の味だが、実際にはおいしく、筆者も普通に食べている。もちろん、日本のブランド米と比較すればキリがないかもしれない。しかし、韓国も日本同様に米を主食としていること、近年の日本食ブームも相まって、韓国人自身の食の質に対する目線が高まっていることから、農産物をはじめとする食品の質が向上しているのも事実である。また、多くの日本人観光客が韓国を訪れて食を楽しんでいる現状を見れば、韓国米が日本人の口に合わないということはないはずだ。

「それでも日本産がおいしいし、質が良い」という声は、必ず上がるであろう。しかし、この状況が今後も改善されない場合、もはや選り好みをしている余裕はなくなるのではないだろうか。

海外から日本へ米を持ち帰る場合は注意を

 また、韓国から日本へ米を持って帰るという行動にも注意が必要である。4月25日のNHKの報道によれば、最近は韓国に限らず東南アジアからも米を日本に持ち帰るケースが増えているとのこと。横浜植物防疫所成田支所は、米を日本に持ち込む場合には、持ち出す国の検査証明書を取得の上、入国時には申告と検査が必要であることを呼びかけているという。

 海外からの農産物や食品の持ち込みには規制があるにもかかわらず、実際のところは規制をかいくぐって日本に持ち込まれていそうだし、そもそもこうした手続きが必須であることを知らない人も多いだろうと思われる。

 今後は、検疫所の取締りが強化されることも予想される。せっかく持ち帰ったのに、手順を守らないと没収や処罰を受ける可能性もある。米の持ち帰りには十分に注意すべきであろう。

「日本のものは優れている」「日本ほど良い国はない」という思いは、海外生活をすれば強くなるものであることは筆者自身も実感する。

 しかし、外から日本を見て、時々帰国するからこそ、最近特に気づき心配になる点も多い。例えば、一見すれば多くの人でにぎわっているように見える都市部や観光地も、その多くは外国人観光客によるインバウンドに頼っているところが大きく、郊外に行けば平日の日中は人通りが少なく閑散としていたり、スーパーにほぼ高齢者の姿しかなかったり、地元の行きつけやなじみの店がどんどん閉店していったり……という様子を見ると寂しさを感じる。

 韓国と日本が、現在直面している問題は共通しているところが多い。それでもやはり米問題を見ると、現在の日本の状況が非常にもどかしく思えてしまう。一刻も早く、令和の米騒動が解決することを強く願っている。