
「同じものを買うなら、少しでも安く買いたい」そう思っても、あれこれ調べてベストにたどり着くのはひと苦労だ。満足のいくお金の使い方に近づくためには、1年を通して、安くなる「タイミング」を大まかに把握しておくことが大切。具体的な例を見ていこう(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
私たちの懐が暖かい時期に
大きな商戦を仕掛ける
大型連休で散財してしまった……という人は少なくないだろう。そもそも、年末年始や連休などのイベント中は気分が浮き立ち、「お金を使いたい」という意欲が高まるものだ。そうしたタイミングは売る側にとっては儲けのチャンス、あえて値段を安くしようとはしないものだ。
消費者側が出費を抑えるには、みんながお金を使う時ではなく「タイミングをずらす」ことが大事になる。お金を使ってしまった今だからこそ、消費者心理を分析しつつ、安く買うための方法を探ってみよう。
1 ボーナス支給時期は「高値掴み」タイミング
年間にいくつか大きな商戦といわれるものがある。夏のボーナス商戦、クリスマス商戦、年末商戦などだ。いずれも、夏冬のボーナスが支給され、手元に大きなお金が入る時期に重なり、消費意欲が高まるタイミングを狙っている。
いくら欲しいものがあっても、手元にお金がなくては買えないもの。売り手側としては、消費者がお金を持っている時期を狙って大きな商戦を仕掛けるというわけだ。
この時期では、節約マインドよりも「買いたい」心理の方が強まるので、売り手にとって大きな値下げをする必要はない。そうなると、誰もが買いたい気持ちが高まっているボーナス時期は、安く買えるタイミングとは言い難い。
逆に、ゴールデンウイーク後に当たる今は夏のボーナス支給前となるので、消費意欲がしぼんでいる時期だ。安く買いたいなら、人がお金を使いたくない時期がチャンスかもしれない。