語彙力のある人が「うれしい気持ち」を伝えるときに使っている表現とは?「うれしい」に近い他の言葉も頭にストックしておけば、状況に応じて、よりぴったりの言葉で感情表現ができるようになる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

自分の思いや考えをうまく言葉にできないのを、なんとかしたいと思っていませんか。近頃、メディアで「言語化」という言葉を目にする機会が増えているのも、言語化する力を身につけたいと考える人が多い証でしょう。では、そもそもどうすれば言語化する力は身につくのでしょうか。本稿では、『ぴったりの言葉が一瞬で見つかる「言語化」の便利帳』(青春出版社)から、「言語化」についてのおさえておきたい大事なポイントと、そのスキルを最短で身につける方法を紹介します。

言語化する力を身につたほうがいい理由

 自分の思いや考えを言語化するために、最も必要なことは何でしょうか。それは、やはり「語彙力」です。言語化が言葉の技術である以上、その力はほぼ使える語彙の数に比例します。

 語彙力を高めれば、言語化に関する次の三つの「度」を上げることができます。

 まずは、言葉の「精度」です。語彙力が増せば、より適切な表現を選べるようになり、それはコミュニケーションの精度を上げ、説明や報告・連絡・相談、意見表明などを円滑にします。

 次いで、言葉の「魅力度」がアップします。語彙力があれば、豊かな表現で、人の興味や関心をひきつけることができます。同じ内容の話でも、言い回しやレトリック(修辞法)を駆使して、よりキャッチーに表せるようになるのです。

 そして、使える語彙数が増えれば、思考の「熟度」が深まります。人は、頭の中で、言葉を使って考えます。知っている言葉の数が増えれば、しぜん思考言語もより豊富になり、より論理的にも、より幅広くも、考えられるようになるのです。