
嵩は「いごっそう」
どういう意味?
そこへ、パン屋に噂の健太郎がパンを買いに来る。明日帰ると聞いて、ショックなメイコ。
健太郎といっしょに嵩(北村匠海)も帰るようで。高知最後の夜、柳井家でお酒を飲みながら、寛(竹野内豊)は嵩が「いごっそう」(頑固で大胆不敵)だから心配要らないけれど、むしろ千尋(中沢元紀)のように我慢しすぎることを心配する。
体は大きくたくましくなった千尋だが、内面は幼い頃のおとなしく控えめな性格のようだ。
千尋にもっと「いごっそうになれ」(わがままに生きろ)と助言する寛。それを聞いていて、健太郎が「いごっそう」とはどういう意味かと聞く。「頑固で大胆不敵」という意味だと知った健太郎は、彼の故郷の言葉では「青竹割ってへこにかけ」に当たるものと理解する。
少し酔った寛はさっそく「へこにかけ!」と言い換えて、さらに千尋を励ました。いろんな方言が飛び交って面白い。「いごっそう」もわからないが「へこにかけ」とは。「へこ」とはふんどしのこと。青竹を割ってふんどしにかけるような豪胆なことを意味するらしい。
「いごっそう」と言われた嵩だが、のぶに買ったプレゼントを渡せずにいた。
翌朝、あんぱんを買いに来た千尋は、のぶに、嵩が空き地で待っていると伝える。昨晩、そういう取り決めをしたらしい。
のぶを見つめる千尋の様子からメイコは、千尋がじつはのぶのことを想っているのではと気づく。
メイコは自分が恋をしたことで、他人の恋(繊細な感情)にも敏感になったに違いない。
やっぱり千尋はおくゆかしい。兄の想いを優先して自分の気持ちを押し殺しているのだ。このことを誰にも言わないというメイコに「ありがとう」と返した千尋には少年のときの儚げな名残があった。中沢元紀はなかなか繊細な演技をする。