公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング#20Photo by Yasuo Katatae

上場企業の監査報告書に署名する公認会計士のうち、最も多くの監査報酬を獲得したトッププレーヤーは誰か。ダイヤモンド編集部では特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』と題し、集計データを公表してきた。#20の本稿では、PwC Japan有限責任監査法人に所属する公認会計士を対象に集計し、ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男、データ担当/編集委員 清水理裕)

PwC Japan所属100人の最新序列は?
監査報酬獲得額ランキング

 2023年12月、PwCあらた有限責任監査法人とPwC京都監査法人が合併して誕生したPwC Japan有限責任監査法人。所属する公認会計士数は1249人(24年6月末時点)で、四大監査法人の中で規模は4番目だ。

 ただし、PwCあらたとPwC京都は長年にわたって日本を代表する製造業を顧客に抱えてきた。監査先企業の一覧にはトヨタ自動車、ソニーグループ、任天堂、京セラなど、超有名企業が名を連ねる。顧客企業の知名度や優良度、ブランド力は、四大監査法人の中でナンバーワンだろう。

 そんな製造業に強いPwC Japanに所属する公認会計士のうち、上場企業の監査報告書に署名している公認会計士は100人。その序列はどうなっているのか。

 ダイヤモンド編集部では、上場企業の監査報告書に署名している全ての公認会計士2364人を対象に、各上場企業が有価証券報告書で公開している「監査証明業務に基づく報酬」を分析した。

 まず監査証明業務に基づく報酬を、その企業の監査報告書に署名している公認会計士の人数で割り、各公認会計士の報酬獲得額を算出。その額を公認会計士ごとに集計して「監査報酬獲得額」とし、額が多い順に並べ、順位付けした。本稿では、その中からPwC Japanに所属する公認会計士を抜き出し、ランキングを作成している。

 ランキングを見る上で注意したいのは、監査報酬獲得額がその監査を行った公認会計士の年収とは直結しない点だ。監査法人にはそれぞれ報酬制度があり、それによって公認会計士の年収が決まっている。

 また、実際の監査証明業務は、監査報告書に署名した公認会計士だけで行われているわけではない。署名している公認会計士以外に、若手公認会計士やスタッフら数十人が関わっている。各公認会計士の監査報酬獲得額は、署名した公認会計士の力だけで獲得したとは、必ずしもいえない。

 それでも本特集で、署名した公認会計士が監査報酬を獲得したと見なしたのは、個人として訴訟リスクや、金融庁からの処分リスクを負っているためだ。

 PwC Japanに所属する公認会計士の最新序列とは?次ページで一挙公開する。

図表:PwC Japan所属公認会計士「監査報酬獲得額」ランキングトップ30(サンプル)