公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング#17Photo:JIJI

上場企業の監査報告書に署名する公認会計士のうち、最も多くの監査報酬を獲得したトッププレーヤーは誰か。ダイヤモンド編集部では特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』と題し、集計データを公表してきた。#17の本稿では、監査法人業界で売上高トップに立つ有限責任監査法人トーマツに所属する公認会計士を対象に集計し、ランキングを作成した。監査法人“王者”の最新序列を公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男、データ担当/編集委員 清水理裕)

トーマツ333人の最新序列
監査報酬獲得額ランキング

 上場会社の監査証明業務を担う監査法人の中で、監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、EY新日本有限責任監査法人、PwC Japan有限責任監査法人は四大監査法人と呼ばれ、質と量で業界を引っ張る存在だ。その中でも、トーマツは上場会社への監査証明業務による売上高と、コンサルティングなどの非監査証明業務による売上高を足した総合売上高が1430億3200万円に達し、業界の頂点に立っている。

 そんな監査法人の“王者”には、公認会計士が2856人(2024年5月末時点)所属しており、その中でも上場会社の監査報告書に署名している公認会計士は333人いる。

 ではその333人の序列はどうなっているのか。ダイヤモンド編集部では、上場会社の監査を担う公認会計士2364人を対象に、各上場企業が有価証券報告書で公開している「監査証明業務に基づく報酬」を分析した。

 まず監査証明業務に基づく報酬を、その企業の監査報告書に署名している公認会計士人数で割り、各公認会計士の報酬獲得額を算出。その額を公認会計士ごとに集計して「監査報酬獲得額」とし、額が多い順に並べ、順位付けした。本稿では、その中からトーマツに所属する公認会計士を抜き出し、ランキングを作成している。

 ランキングを見る上で注意したいのは、監査報酬獲得額がその監査を行った公認会計士の年収とは一致しない点だ。各監査法人には報酬制度があり、それによって公認会計士の年収が決まっている。

 また、実際の監査証明業務は、監査報告書に署名した公認会計士だけで行われているわけではない。実際の監査証明業務には、署名している公認会計士以外に、若手公認会計士やスタッフら数十人が関わっている。各公認会計士の監査報酬獲得額は、署名した公認会計士の力だけで獲得したとは、必ずしもいえない。

 それでも本特集で、署名した公認会計士が監査報酬を獲得したと見なしたのは、署名した公認会計士は個人として訴訟リスクや、金融庁からの処分リスクを負っているためだ。

 監査法人“王者”であるトーマツの稼ぎ頭は誰か。次ページでトーマツに所属する公認会計士の最新序列を一挙公開する。